こんにちは。かなえるリハビリ訪問看護ステーション都(京都営業所)
理学療法士の小辻です。
最近私が気になって仕方がないのが、現代に生きる日本人にとって「よりよく生きるとは何ぞや?」ということです。
日々の生活がどのようになれば、なんとなく心が満たされるのか。
以前、病院に勤務していたときはそこまで深く考えることがなかったのですが、在宅でご利用者の生活を支えることが仕事になってからというもの、この大きな問いにぶち当たっています。
病院での入院患者さんの目標は疾病が良くなることであり、身体機能が改善することだと思います。そして我々医療従事者は豊富な医学的知識を駆使して上記の実現を目指します。
しかし在宅での利用者さんの目標はいわば「生活がより良くなること」だと思います。
それをよく表しているなぁと個人的に注目しているのが「well-being」という言葉です。
直訳したら「いい感じの状態」みたいな感じでしょうか。
このワードはWHO憲章前文の中で、「健康」についての定義がなされているのですが、その中に出てくるワードです。
“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”
“健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)”
病気でないとか、弱っていないということではなく…「満たされた状態」。
逆に言えば、病気を抱えていても、多少弱っていても、その人にとっての生活が少しでもwell-beingな状態に近づくためには何をしていく必要があるのか。
それを考えるためには医学的な視点のみではなく、時代的な価値観などを含めた様々な人間理解が必要になると思います。
そしてそれを考えることは簡単なことではないと思います。
ですがこれからの超高齢化時代、病気を持っていることが当たり前であり、その状態で少なくない年月を生きなければならないことを考えると避けては通れない課題だと思います。
この壮大な問い、皆であーでもない、こーでもないと悶々としながら考えていけたらなぁと思います!
理学療法士 小辻