「低栄養」ってなんだと思いますか?
「低栄養」とは、主に「カロリー」や「たんぱく質」の不足と考えられています。ご自宅で暮らす高齢者の内7人に1人は、1日の摂取カロリーが1,000キロカロリー以下になり、十分な栄養を摂取できていません。また、入院中や長期療養施設に入っている高齢者の約半数が、十分なカロリーを摂取していないことがわかっています。『飽食の時代』と言われる現在でも「低栄養」は大きな問題なのです。
ここで、「たんぱく質」の存在を今一度意識して頂きたいのです。
(※腎機能障害などで主治医から食事制限の指示を受けている方はそちらを優先してください)
たんぱく質は、人体の15~20%を占めています。このたんぱく質が、筋肉や臓器、肌、髪、爪、体内のホルモンや酵素、免疫物質などをつくり、栄養素を体の隅々に運び、私たちの健康を維持しています。
たんぱく質が不足すると
体力・免疫力が低下
・外部の刺激から体を守る力が衰えていきます。
・低たんぱく血症による浮腫(ふしゅ)を起こしやすくなります。
・皮膚が弱くなり、傷つきやすく、治りにくくなります。
筋肉量・筋力が低下
・たんぱく質の摂取が不足すると、筋肉量の減少や筋力の低下が生じます。
・筋肉量が減少するため、体重も減少します。
・筋力が低下することでさらに運動機能や活動量が低下し、悪循環に陥ります。
つまり・・・
たんぱく質不足は、体に様々なトラブルを引き起こし、日常生活における自立度の低下につながる要因にもなります。
というわけで、普段の食生活の中でできる栄養アップ方法を紹介します。
いつものお食事に付け加えてみてください!
①丼物やカレー
アツアツのご飯に溶けるチーズ(スライスチーズ1枚分)を混ぜ込み、丼の具やカレールウをかける。
②うどん
トッピングとして、半熟卵や魚の缶詰を利用する。
③卵焼き
スライスチーズやマヨネーズを入れて焼く。
④食パン
ツナとマヨネーズを塗ることで、たんぱく質とエネルギーの補給。
⑤冷奴
お好みの量のツナや魚の缶詰とめんつゆをかけて洋風湯豆腐にする。
リハビリや運動後、おやつの時間に牛乳やヨーグルトを摂取することは、筋肉量を増やしたり、筋肉量の低下も予防することが期待できるのでお勧めです。
管理栄養士 江星