姿勢って、見た目のことを思う以上に大事なんです。

こんにちは、
かなえるリハビリ訪問看護ステーション都
作業療法士の麻生島です。

先日、イザベラ・ルーシー・バードという明治時代の日本を旅した英国の旅行・探検家が記した「日本紀行」という本を読みました。その本の中で日本に上陸した際にイザベラ・バードが日本人を見て感想を述べるくだりが記されています。

「通りで見かける小柄で(中略)がに股で、猫背で、胸のへこんだ人々には…」「へこんだ胸とO脚が誇張されます。」

この本は明治初期、日本が開国して江戸時代から勢い良く生活環境や文化形態を変えつつある時期の文化・風俗を伝えてくれる興味深い本なのですが、のっけから「がに股」「猫背」「O脚」と日本人の姿勢についてよほど目についたように挙げられているので、少し面食らってしまいました。

それでも「日本人の姿勢って明治時代も現代もあまり変わらないんだな」「西洋人とアジア人では姿勢の特徴が違うんだな」と思いました。というのも、やはり職業柄というのか、人の姿勢に目が行き興味を惹かれる所があり、常にそんな視点を持って出歩いているので、現代の日本も街を歩けば不思議なほどに見かける大多数の人が猫背だなと見ていたからです。

現代と明治時代とでは生活様式は違うのに、老若男女皆どうして日本人は結局 猫背になるのか…。それには、体の姿勢取りの要である「骨盤」の据え方が大きく関係しています。

日本人は「骨盤」といわれる腰回りの大きな骨組を真っ直ぐに起こしておくのが苦手だと言われています。骨盤を真っ直ぐに起こしているのは骨盤の中に付いていて背骨・骨盤・足の骨を繋いでいる腸腰筋という筋肉群になります。日本人は文化的に農耕をして畳の上に座って過ごしてきた長い歴史がある影響でこの腸腰筋が細く生まれつくようです。

この筋肉を使わずに緩めたり縮ませる機会を作る「座る」ことが現代の生活の中で頻度が多いので筋肉を使う・鍛える機会も少なくなり、骨盤が後ろへ倒れ勝ちになりやすいのです。畳の生活であぐら座を多くかくなら、骨盤を後ろへしっかり倒さないと楽に座れないので、昔の日本人が猫背でがに股ばかりと言われるのも頷けます。

ちなみに骨盤を起こす筋肉を休ませて骨盤が後ろに傾いた姿勢ばかりを取っていると、その上にある肩や首・頭を支える筋肉も土台の骨盤が傾いているという無理のある姿勢の中でリラックスして座るため、十分な位置に肩・頭を支えることには余計な労力を要するため、これをやめてしまい勝ちにもなるので、重力に引っ張られるままに肩甲骨は後ろに突き出て肩は真横から前へ突き出てくる、頭も肩より前に出てくるといった姿勢が徐々にもれなくセットになって出てきます。この姿勢が猫背です。

猫背は日本人定番の「筋肉を休ませて体を出来るだけ楽に使おうとする姿勢」ということになりましょうか。

猫背は悪い姿勢の代名詞のような言葉になっていますが、格好悪いというだけに留まらず、猫背を続けた人が中高年になると緩めて休めていたはずの腰や肩・首の後ろの筋肉が強張って関節が固まったり・体を起こすだけの力を発揮できなくなります。

また、腰は屈み膝も曲がってがに股を生み、肩甲骨はもっと後ろに突き出て行き、肩・頭はもっと前に突き出て行く上、頚・腰の骨が頭や上半身の重みで圧迫され神経が潰れ手足が痺れたり動きにくくなったりする整形疾患に繋がって来ることも少なくないのです。

姿勢は見目麗しくするということだけでなく、使うべき筋肉を使って整える運動の一環みたいなものとも言えるかもしれません。

今現在、楽であることのみを思って姿勢をおざなりにせず、老年期にも困らない体の据え方・使い方をしてゆきたいですね。

作業療法士 麻生島

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