「訪問看護師」になるには?

「もっとその人の生活や生き方に沿った看護がしたいなぁ?」と思ったことはありませんか?
病院や施設で働いていると、次のようなことがあります。

・業務ばかりで患者のナースコールにすぐに対応することが難しい。
・ゆっくり、お話しを聞いてあげたいけれど時間が取れない。
・別の入浴方法なら一人でもできるのに…時間に限りがあってできない。

もっと良くなって欲しい、もっと気持ちに寄り添いたい、もっと…という気持ちを持ちながら働き続けていませんか?
そんな気持ちを抱えている看護師の方に読んでいただいて訪問看護という働き方を知っていただく記事になっています。

訪問看護の魅力ってなに?

そもそも、訪問看護を仕事にしよう!と思える魅力は何でしょうか?なんとなく良さそうと選択する方も居るでしょう。でも、訪問看護を職場に選んだ人はどんな魅力があって続けているのか聞いてみました。

①療養者の人柄・人生に関われる

訪問看護は週1~3回、1回30分~1時間程度の短時間ですが、

・利用者の観察、ケア
・利用者と家族がどんな生活をして行きたいか
・利用者と家族がどんな希望、不安を抱いているか

以上のことを傾聴・実施し、多職種(医師、ケアマネジャー、訪問介護職員、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)と連携をとり、計画を一緒に考えて寄り添っていくことができます。

その実施する中で、利用者や家族と信頼関係を築き、少しずつ距離を近づけることができます。最終的に「ありがとう」「あなたの顔を見るのが楽しみなの」「いつも元気をもらうの」と感謝されるとこの上ない喜びを得られます。感謝されたいわけではありませんが、やはり言葉や態度で感謝を伝えてもらえることが、訪問看護師としてのやりがいを感じる部分でもあります。そこから、看護師自身の価値観も磨かれ豊かになります。 

②予防介護から高度医療まで幅広く関われる

訪問介護の対象者は0~100歳前後まで幅広く、小児・重度心身障害、ターミナルケア、認知症ケア、精神看護、リハビリテーション、難病看護と多岐にわたります。2050年には高齢者、非就業者に偏る「逆ピラミッド型」の超高齢化社会を迎えます。そして施設や病院ではなく、地域で見ていく地域包括システムの確立も2025年を目指して実施しています。そんな中で訪問看護のポジションは重要な役割を担っていきます。

そこで今まで経験のない科や疾患の方と関わることも多くなります。そのため、看護師自身も学ぶ分野が多いからこそ、向上心を常に持って仕事に望めます。 

③ワークライフバランスを取りやすい

女性はまだまだライフイベントによって人生を左右されるのが現実です。家庭を大切にしたい、でも、看護師は私にとって生涯の仕事だと思っています。私自身も病院看護師から訪問看護師に転職するきっかけは、このワークライフバランスが取れる環境というのが理由でした。

家庭との両立は人それぞれです。夜勤をして常勤でバリバリと仕事をして、キャリアを積んでいく看護師もいます。でも、看護師みんながその働き方ができるわけではありませんよね。訪問看護には、休日が決まっており、基本的には夜勤がありません。ただし、24時間体制の訪問看護ステーションはオンコール体制があります。

しかし、自分の決めた日、自分の決めた時間内で仕事することが出来、オンコール対応の可否も自身で決めることができます。そのため生活のリズムが整い、充実感を持って働きながら、趣味や家庭との両立を図ることができます。 

 

お給料の平均は?

勤務する地域にもよりますが求人サイトの情報によると訪問看護師の平均給与は、病棟看護師の平均給与と変わらなくなっているそうです。

訪問看護師の平均年収は約435万円となっています。実際は、オンコール対応などの手当ての有無や訪問件数での手当などによって、年収420~500万円の幅があるようです。

訪問看護ステーションが増えるのに対し、訪問看護師のなり手が少なく、どのステーションも「人材確保」が課題となっています。そのため、魅力的な給与を提示するステーションも少なくありません。超高齢化社会へ向けて「入院から在宅へ」の流れから、訪問看護の需要が高まり、診療報酬も手厚くなってきているので、その分がスタッフの待遇改善につながっています。

 
 

訪問看護師になるために必要なスキルは?
①コミュニケーションスキル

訪問看護の対象者は様々な年齢層があると言うことを前述しました。その年代にあった、その人自身にあった話し方や聞き方があります。話始めは、安心感を得てもらえるように声のトーンや話すスピードを意識して話していく、視線を軽く合わせるなどのスキルを用いると利用者様の信頼関係がグッと近くなります。意識して行わずとも、出来る看護師も居ますがそうでない看護師もいます。それは、看護師でなくてもそうですが個人差というものはあります。そして、これは看護師のように士業の職でやりがちですが、「自分の考えを伝える」ことばかりに一生懸命になってしまうこと。伝えることも大切ですが、聞くことが訪問看護では大切になります。 

②利用者と契約した曜日と時間の中で看護を提供する

病院や施設と違い、訪問看護には時間という枠があります。その枠の中で利用者様に必要なケアや援助を最大限に提供していきます。それは、利用者との契約という約束であるため、時間厳守、訪問に際してのマナーなどが必要になります。当社では、入社時にマナーや倫理などの研修があり、初めての訪問看護でも対応できるようにしています。 

③利用者を支えている家族の相談にも対応する

私たち医療従事者よりも利用者を毎日、傍で支えている家族の協力がなければ、在宅看護というのは成り立ちません。私たちはもちろん利用者を看護するために訪問しますが、それを支えている家族はたくさんの悩みや葛藤を抱えています。介護するのは家族の役目であると世間の目を気にして「辛い、しんどい」と言えない環境が葛藤を生み、頑張りすぎる原因にもなっています。その環境や状況を踏まえて相談しやすい雰囲気づくり、環境を作る、変化に気づくこと、察する力が必要になってきます。 

④他機関・他職種とのチームケア

訪問看護では対応するのは一人ですが、何かあった時は主治医や事業所のスタッフ、ケアマネ、他訪看ステーションなど連携することになります。そのため普段から周囲との連携を意識して行動することが大切になってきます。

 
 

まとめ

「今は子育てを優先して、家庭を優先して」と頭では理解していても看護師としてのホスピタリティを発揮できる環境を望む自分が居ませんか?

私はそうでした。看護師としてのキャリアも家庭や子育ても全て満たしたい。けれど、自身の体力や子供の体調は変わりやすく、調節が効かないことも事実でした。ライフイベントに合わせた就業条件で、今までのキャリアを活かし、看護師としての思いも活かす仕事。それが訪問看護だと思います。

訪問看護師になるために「こんな経験がないとダメ」というものはありません。

一番大切なことは、利用者と共に喜び、悲しみ、楽しみ、怒り、その人生を支える看護を提供することです。そして、その看護を提供するには自身の価値観、看護観の育成が必要になります。そして、その価値観や看護観を押し付けることなく寄り添わせるという本質を理解しながら提供していくことが大切です。