新型コロナウイルスに対する基礎知識を身につけよう⑬

乳幼児期のお子さんに必要な
コロナウイルス感染と予防について

コロナウイルス流行から早くも半年が経ち、第二波に入り、ソーシャル(フィジカル)ディスタンス、マスク着用の夏、時差出勤、テレワークなど新しい生活様式も大人にとってはだんだんと慣れてきた時期でもあると思います。一方で、乳児期や幼児期のお子さんはウイルスと言われても、もちろん理解は難しいため、保護者の方の不安は大きいのではないでしょうか?
「マスクをつけることを嫌がる年齢の子はどうすればいいのかしら?」
「なんでも口に入れたい時期で、感染が心配」
「保育園、幼稚園に行っても大丈夫かしら?」
体が小さいお子さんだから、成人よりも重症化しやすいのではないかと心配されている方もいらっしゃるかと思います。
今回は、乳幼児のお子さんのコロナウイル感染と予防について記事にしたいと思います。

子供のコロナウイルスの感染経路について

地域で感染が拡大していない場合のお子さんの感染の多くは、家庭内感染です。特に乳幼児の場合は、母親をはじめ大人とのふれあいが多いため、お子さんがいらっしゃるご家庭の大人の方が手洗いなどの感染予防に努めなければなりません。

また、乳児期であれば、母乳による感染を心配されるかたもいらっしゃるかもしれませんが、現在のところ母乳により感染リスクが高まるという報告はありません(Elizabethら;2020)。それよりも乳児はウイルスから体を守るための免疫を母乳から得ていますので、人工乳にない利点も多いです。授乳前の十分な手洗い・消毒、授乳中のマスクの着用も方法としてとして考えられます(日本小児科学会)。

そして、マスクをつけることを嫌がる2歳以下のお子様にマスクをつけて外出させることは現実的でないと思われます。さらに、暑い時期であれば、自力で外すことの出来ないお子さんには熱中症のリスクが高まります(厚生労働省)。そのため、感染者から2m以上の距離を保つことや、定期的な手洗い・消毒、おもちゃを口に入れる時期であれば、おもちゃの定期的なアルコール消毒を行うことにより予防していくことが求められます。

子どもは感染したら重症化するのか?

感染リスクについては、「成人と小児で同じ割合である。」「小児は成人よりも感染しにくい」等のまだ一致には至らない報告がありますが、一つの要因に小児が自分自身の体調の変化を伝えることが出来ていないという事が挙げられています。

一方で重症化リスクについては、小児は成人よりも重症化しにくい傾向があると言われており、新生児であっても死亡例はほとんどありません。(Shashiradikoら;2020)しかし、成人と比較して小児の症例が少ないことから明らかになっていなことも多いため、お子さんの体調の変化には注意しておく必要があります。

幼児期の予防接種は遅らせないで!

元気なのに予防接種を受けにわざわざ病院に行って、コロナウイルスをもらってきてしまうのでないかと心配されている方もいらっしゃると思います。

コロナウイルスも重症化する可能性のある病気ではありますが、それ以外にもかかると危険な病気はたくさんあります。乳幼児期の予防接種は母親からもらった免疫が減少してくる時期や発達段階に合わせて、必要な時期に予防接種を受ける時期は決められています。

医療機関では感染予防に加え、事前予約をすることで場所や時間を配慮してもらえる場合があります(厚生労働省HP)。不安な方は一度、各自治体へご連絡されてみてはいかがでしょうか。

さいごに

コロナウイルスも子どもの成長も「待ったなし」であり、色んな不安がありますよね。コロナウイルスと上手く付き合っていく必要が出てきました。お子さんも成長に合わせて、手の洗い方やうがいなど、方法を学習する機会になると良いですね。

参考


Shashi Kant Dhir, DM, Jogender Kumar, DM, Jitendra Meena, DM, Praveen Kumar, DM.Clinical Features and Outcome of SARS-CoV-2 Infection in Neonates: A Systematic Review.Journal of Tropical Pediatrics

Elizabeth Centeno Tablante,Melisa Medina Rivera, Julia L. Finkelstein , Pura Rayco‐Solon , Maria Nieves Garcia Casal , Lisa Rogers , Kate Ghezzi Kopel , Pratiwi Ridwan. Transmission of SARS‐CoV‐2 through breast milk and breastfeeding: a living systematic review

日本小児科学会ホームページ

厚生労働省ホームページ