新型コロナウイルスに対する基礎知識を身につけよう㉑

新型コロナウイルス感染症における
長期化する症状、
遅れて発生する症状がある?

こんにちは。理学療法士の伊藤です。
新型コロナウイルスの症状といえば、発熱や空咳、倦怠感、時に嗅覚や味覚の異常、呼吸困難がみられることは皆様もご存じのことと思いますが、それらの症状がどの程度続くのか、あるいは遅れて現れる症状はあるのか、といった疑問を持たれている方もいらっしゃると思います。

今回は、新型コロナウイルスからの回復後に退院した患者を対象に、持続する症状や遅発性症状の持続期間を調査した研究についてお伝えさせていただきます。

①症状の持続期間について


図1:入院後に症状を示した患者の割合(63名)(参考論文より改編して引用)

図1は研究参加者における長期的な症状とその期間がまとめられています。
その特徴をまとめてみますと、

・症状発現時は、咳、倦怠感、呼吸困難、味覚障害、嗅覚障害、喀痰の順に多い
・発熱はすべての参加者で30日以内に解消する(0日~27日、平均7.4日)
・症状発現から50日で症状がある者の割合は減少するが、100日経過しても5~10名程度も患者に症状が残っている

②遅発性の症状について

遅発性の症状については、2人の参加者が症状の発症から30日後と92日後に嗅覚障害を報告しています。
また、遅発性の症状として、脱毛症が報告されており、図2は、退院後に脱毛症を発症した患者の割合を示しています。58人の患者のうち14人(全体の24.1%、男性9名、女性5名)が脱毛症を報告し、新型コロナウイルス感染症の発症から脱毛症の出現までの平均時間は58。6日でした。
脱毛症はエボラ出血熱やデング熱などの感染症後に出現する症状として見られることがありますが、はっきりとしたメカニズムは分かっておりません。


図2:入院後に脱毛症を呈した患者の割合(n = 58)(参考論文より改編して引用)

まとめ

・咳、倦怠感、呼吸困難、味覚障害、嗅覚障害、喀痰はどの症状が長引くことがある
・症状によっては、100日程度続くものもあり、どのような要因で症状が長引くかについては今後研究を行う必要がある
・症状が治まった後に脱毛症が現れることがある

少しずつ、新型コロナウイルスの全貌が明らかになってきており、こういった知識も理解し、新型コロナウイルスに感染しない、という意識を持って行動していきましょう!

参考