地域を選んだきっかけを教えてください

作業療法士を目指し始めた時期に心臓の病気で入院していた祖父が退院しました。体調は戻っているはずなのにもともと熱心に取り組んでいた畑仕事や趣味の大工仕事を全くしなくなり、どこか元気がなく入院前の祖父らしさがなくなっている様子を見ていました。祖父のように病院以外にも作業療法を必要とする人はたくさんいるのではないかと思い、その頃から漠然と「地域で働きたい」と思っていました。また大学で地域で働く作業療法士の先生方のお話を聞いたり、訪問実習を経験していく中で、その人らしさを大切にする作業療法士として働くならご利用者の方の一番自然な姿が見られる在宅で働いてみたいと考えるようになりました。

地域に出てどうですか?

とても充実した日々を送っています。現在は一日7件程度、自転車で訪問しています。事業所のある西区は働くまで知らない土地だったので、まずは働く地域を知る事が一番だと思い、入職当初は道やお店の場所、地域特性などを知ることを心掛けました。今は訪問以外にも地域活動や小児分野での会社の取り組みにも参加し、様々な経験をさせて頂いています。訪問リハビリでは長期的な関わりが多く、担当する経験人数としてはどうしても病院に比べて少なくなってしまうので、地域活動に参加してたくさんの方と関わることが大事だと思っています。

フォロー体制について、
どう思われますか?

医療職として、社会人として一人前になれるよう1年間は「新任型療法士」として働きます。流れとしてはまず2週間ほどの新人研修。内容は経営理念や在宅医療での心構え、訪問分野ならではのビジネスマナー、介護保険などサービス提供に関わる諸制度に関してなどです。その後、2カ月ほどは先輩療法士の方との同行が中心です。小児から高齢、難病の方へのリハビリなどたくさんの方の同行をさせて頂きました。治療や評価内容はもちろんですが、ご利用者やご家族様に合わせた対応やCM等との連携などの先輩方の振る舞いもとても勉強になりました。3カ月目くらいから先輩療法士同行の下、担当を持ち始めます。だいたい1カ月2人~3人くらいのペースで少しずつ担当数が増えていきました。はじめは先輩療法士が担当していたケースを引継ぐので、プログラム内容や目標、声掛けで気を付けている事など細かく確認しながら進めることが出来たのがよかったです。

また、新任型勉強会としてケース検討の時間や触診、介助などの実技練習の時間があり、気軽に相談し、意見を頂ける体制がありました。同行は自分の勉強したい疾患の方を多く入れてくださったり、実技面に不安のあった私に合わせて実技練習の時間を増やしていただくなど一緒に研修の形を作ってくださる雰囲気が不安だらけの私にとってはとてもありがたかったです。「教育研修課」に所属しながら訪問以外の業務に携わることができたのもとてもいい経験になったと思っています。

よかったこと、つらかったことを教えてください

利用者さんと掲げていた目標が達成できたときはやりがいを感じます。もともと行っていた喫茶店に一人で行くことができたと聞いたときはとても嬉しかったです。またご利用者様やご家族様からいろいろなお話を聞く時間が大好きです。生活の知恵から仕事に対する考え方、人間関係で大事にしていることまで長期間の関わりになるからこそ人生の先輩というようにたくさんの事を教えて頂いています。反対にサービスの中止や休止はつらいです。予期せぬ入院があると事前にもっとできる事はなかったのかと悩むこともあります。これから自分が担当する方には絶対おなじようなことがないように!と調べたり、看護師の方に聞いたりして対処方法を考えています。

新卒の方に向けて

私も一年目から地域に出るかどうかすごく悩みました。正直自分の力不足に悩んだときはやっぱり病院に行っておいたほうが良かったのかなと思うこともあります。ですが、それ以上に地域で働くことは楽しいです。ご利用者の生活の場がすぐそこにあること、慣れ親しんだ家族や周囲の人々との関わりを肌で感じられること、先輩方や他職種の方を含めて様々な方と出会えること。一年目から訪問リハビリの世界に飛び込んでいなければ出来ていない経験がたくさんあるし、この選択をしてよかった!と思って働くことが出来ています。そして、他職種との連携や一人で訪問することへの不安など訪問する中で感じる難しさは病院を経験してから地域へ進んだとしても、それほど変わらないのかなとも思います。まだまだ二年目の私ですが、ご利用者のために作業療法士として頑張りたい!という思いがあれば、その働く場所はきっとどこでも大丈夫だと思っています!

私たちの働き方